供覧症例1:42歳、女性
臨床所見 : 全身倦怠感を訴え近医受診したが、改善傾向見られず、当院産婦人科紹介受診。この頃より腹部腫瘤を自覚し始めた。US、CTにて、後腹膜に12×10㎝大の腫瘤を認め、十二指腸および横行結腸を巻き込むような浸潤像が疑われた。外科転科し、膵頭十二指腸および結腸右半切除が行われた。
材 料 : 腫瘍捺印
判 定 : 胃腸間質細胞腫瘍 Gastrointestinal stromal tumor(GIST)
【細胞所見】 細長い紡錘形~不整形、一部に切れ込みを有する核を持つ細胞が、散在性あるいは重積を伴い、錯綜配列を示しながら出現している。核クロマチンは顆粒状を呈し、小型核小体を1~2個認める。核縁は明瞭である。細胞質は線維状で、柔らかな細網状を呈し辺縁は不明瞭である。細胞学的には、平滑筋由来の腫瘍、神経系腫瘍などとの鑑別が必要となるが、細胞所見のみでは困難なため、臨床所見などを参考にする必要がある。 【組織診断】 灰白色で部分的に出血・壊死を伴った11×8㎝大の腫瘍で、十二指腸壁から腹腔内に突出した形で増殖していた。また十二指腸内腔へもSMT様に浸潤しており、中心部は潰瘍を形成し、腫瘍細胞が露出している。 組織学的には、クロマチン増量、核異型を伴った紡錘形細胞が錯綜配列をしながら密に増殖している。全体として細胞異型や密度は高いが、十二指腸粘膜下には異型性に乏しい部分も認められる。核分裂像は部位によって差が見られるが、5~10個/10HPF程度である。4極分裂などの異常な核分裂像も伴っている。静脈内浸潤も認められることから悪性のGISTと考えられる。免疫組織化学的にvimentin, CD34, c-kit陽性、α-smooth muscle actin, desmin陰性であった。 病理診断 胃腸間質細胞腫瘍 gastrointestinal stromal tumor(GIST) (1) 平滑筋に分化を示すもの(smooth muscle type) (2) 神経細胞に分化を示すもの(neural type) (3) 平滑筋ならびに神経細胞分化を示すもの(combined smooth muscle-neural type) (4) いずれにも分化の方向性のないもの(uncommitted type)
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